魔界(アル=アラート)


創生の竜、竜王の統べる世界。

竜王の創り出した九つの種族とその亜種族が住まう。加護により土地は広く豊かで住みやすいが、法律によってあらゆる制約を課された世界に窮屈さを抱く者も少なくはない。魔孔から迷い込んだ異界人や亡命者たちの為に近年作られたの居留地 ラジエント特別自由自治区は、竜の加護が適用されない無法・自由の土地である。ラジエント内には北に首都のセゼンリース、南に旧首都のアメンティニスタという二つの街がある。

ラジエント特別自由自治区

◆敗戦者たち

天界戦争に敗れて魔界へやってきた6人。

ラジエント市街の維持管理を行うことを条件に、亡命者として魔界に住むことを許可されている。


ルシファー


所属:ラジエント  ラジエント総督 169cm 種族:???

「なあパイモン。プリンの魔物って食えると思うか?」
神祖シャウラの双子御子の兄の方。快楽主義者でわがまま放題、子供っぽい性格。毎日何もせずダラダラ過ごすのが日課で、当然ながらラジエント総督としての仕事はほぼパイモンが肩代わりしている。パイモンを溺愛しているが常にあしらわれている。極度の甘党。

 ルシファー ♂ 人称:俺/お前/お前ら


アモン


所属:ラジエント  森林の管理人 191cm 種族:地精/鵬族

「天気が良いなぁ、絶好のお昼寝日和だね。」
ルシファーの育ての親でのんびりした性格の地の精霊。趣味は調理と昼寝、とにかく食べることが大好きで胃袋は底なしかもしれない。面倒見がよく、家事全般をそつなくこなすみんなのお母さん。ベリアルとは犬猿の仲で、彼の気配を察知すると具合が悪くなる。

 嶺桜(たかね) ♂ 人称:僕/君/君たち


ベルフェゴール


所属:竜字軍地方支隊  研究室 172cm 種族:光使

「興味無いわ、出てって頂戴。」
ルシファーの知り合いで竜字軍地方支隊の参謀役。まるで作り物のような美女だが、纏う雰囲気は刺すように冷たく近寄り難い。見た目通りの冷徹な性格で、気に入らないことは絶対にやらない気難し屋。魔法・魔術の話になると途端に饒舌になる。酒癖の悪いヘビースモーカー。

 ベルフェゴール・ホーネスト ♀ 人称:私/あなた/あなた達


ガープ


所属:竜字軍地方支隊  情報通信係 175cm 種族:光使?

「はぁ?こんなの全部先輩にやらせりゃいいじゃないっすか。」
ベルフェゴールの弟。四六時中自室に篭っては何やらよく分からない物を作っている引きこもりの機械オタク。生活力が無いためアモンに心配され、定期的に彼の家に通っている。先輩であるセイルを完全に侮っており、よく彼をからかって遊ぶ。眼鏡がないとほぼ何も見えない。

 ガープ・ホーネスト ♂ 人称:俺/あんた/あんたら


セイル


所属:ラジエント  物品管理、祐筆 183cm 種族:光使

「仕事ですか?!すぐ行きます!!」
アモンの元部下。好奇心旺盛で表情のころころ変わる忙しない青年。純粋で情熱的、天界人らしく仕事への熱意が凄まじい。昔は人の思考が読める体質から人間不信だったが、今はその力もほとんど残っておらず、他人の言葉に一喜一憂している。単純なので騙されやすい。

 セイル・フォス ♂ 人称:僕/あなた/あなたたち


パイモン


所属:ラジエント  ルシファーの従者 145cm 種族:火精

「ルシファー様が何言ってるか?ちょっと私にも分からないですね。」
ルシファーの従者をしている火の精霊。無表情かつ反応に乏しく、どんな仕事も淡々とこなす朴念仁。主人であるルシファーに対しての雑な扱いも隠そうとしない。しなやかで小柄な体躯に見合わず力が強い。美しい少女のような顔立ちだが、れっきとした男性である。

 カシャイール ♂ 人称:私/あなた/あなた方


◆竜字軍地方支隊

ラジエント特別自由自治区内に配置された竜字軍の地方支部。本部の隊員と違い、その多くは法律違反者などの重罪人である。服務中は囚人としての制限に大幅な緩和措置が取られるが、竜の加護のないラジエント郊外には魔物が多く、彼らの命も所詮は使い捨てだ。


アリトン


所属:竜字軍地方支隊 支隊長 156cmㅤ種族:水精

「精霊王として一族を護るのは最低限の使命だろう。違うか。」
地方支隊を指揮する豪胆な少女戦士。今代の水の精霊王を継承しており、ラジエントへと避難してきた水の精霊達の代表でもある。責任感が非常に強く仲間想いの反面、敵と認めた相手には容赦しない。可愛いもの・美しいものに目がなく、少女趣味を必死に隠している。

 ビアンカ ♀ 人称:私/お前/お前たち


グラシア


所属:竜字地方支隊 軍医 184cm 種族:狗族

「大丈夫ですよぉ、首の一つや二つ簡単にくっつきますからねぇ。」
天才的な技術を持つ外科医で、大昔に魔界を追われた大罪人。実年齢ではとっくに老人だが、故郷を離れ理から外れたためにその見た目はまだ若い。知識量・頭脳共に抜きんでた所謂天才肌、性根は怠け者で要領のいいすっとぼけな爺。痛覚と嗅覚が生まれつきほぼない。

 グラシア・エル・ウィンガー ♂ 人称:僕/君/君たち


ライム


所属:竜字地方支隊 第四中隊隊長 171cm 種族:天鼠族/鵬族

「筋トレって美しくないから嫌いなんだよな。あ、美しくない皆さんはどうぞ続けて。」
編成当初から地方支隊に所属する古参の兵士で、慇懃無礼な自由人。慣れた相手には下ネタを連発する困った人。金と自分の容姿が何より好きで、軍に入った理由も給料が良いから。一方で、その性格を補って余りある実力のおかげか部下からの信頼は意外にも厚い。心身共にタフ。

 ライム・リオンバルト ♂ 人称:僕・俺・私/お前・貴方/お前ら・貴方がた


ロアンダン


所属:竜字地方支隊 第二中隊隊長 187cm 種族:犴族

「てめぇの顔面とか誰も気にちゃいねーだろ。試しに鼻でも削いでみっか。」
編成当初から地方支隊に所属する古参の兵士で、フィッツィア南方を縄張りとする狩猟民族の若頭。その中でも特に気性が荒いことで有名なロアンダン家の末子で、地元に戦える相手がいなくなったので命がけの戦闘に事欠かないと噂を聞きつけて地方支隊へ入軍に至った戦闘狂。

 ライコフ・ロアンダン ♂ 人称:俺/てめぇ/てめぇら


シトリー


所属:竜字地方支隊 第四中隊隊員 163cm 種族:???

「オズくん可愛いから食べちゃおうかな~可愛いほうが悪いもん仕方ないよね~。」
帝国から、弟と共に居場所を求めてラジエントへ逃げてきたという変わった姿の少年。常のおちゃらけた態度と呑気な言動は場を和ませるが、生物兵器として作られたという話通りの変化能力と超人的な運動神経が彼が人ではないことを物語っている。弟への愛がとても重い。

 シトリー ♂ 人称:僕/あんた/あんたら


◆自警団

ラジエント創設以前からあるセゼンリースの自警団。市街の警邏以外にも、様々な雑用や依頼がここに集まる住民たちの中心地。住民の寄付によって成り立っており、助けを必要とする者すべてにその手は差し伸べられる。


アンドラス


所属:ラジエント自警団 団長 180cm 種族:華族

「ここは定食屋じゃねぇし俺は料理長じゃねぇ!何べんも言わせんな。」
自警団の団長を務める華族の青年。自由人が多いラジエントでは気苦労の絶えない生真面目な性格。悪態をつきつつもなんだかんだで面倒見のいいみんなのおかん。趣味の料理は並の本職を遥かに凌ぐ腕前で、それを食べるためだけに自警団に通う近隣住民も多い。

 アンドラス・ラーシュ ♂ 人称:俺/お前/お前ら


レラージェ


所属:ラジエント自警団 団員 166cm 種族:華族

「困ったことがあったら私たちになんでも言ってね。」
アンドラスの妹で共に自警団を支える団員。誰に対しても優しく気の利く器量好しで、老若男女問わず多くの人に慕われるセゼンリースのマドンナ的存在。大抵の家事や雑用は器用にこなすが、唯一台所にだけは彼女を立たせてはいけないと言われている。

 レラージェ・ラーシュ ♀ 人称:わたし/きみ/きみたち


ウァレフォル


所属:ラジエント自警団 団員 159cm 種族:鈴裡族

「この町は庭みたいなもんだからね、おいらが案内してやってもいいよ。」
セゼンリースの孤児院で育った鈴裡族の少女。小さい子供の面倒を見るのが得意で、正式な自警団員になった後も生まれ育った孤児院を手伝ったり、子供に関わる依頼を多く請け負う。竹を割ったような性格で、近隣住民や他団員からの信頼も厚い。

 ウァレフォル ♀ 人称:おいら/きみ/きみたち


マルコシアス


所属:ラジエント自警団 団員 177cm 種族:狗族

「この僕に雑用をやらせるなんて正気か。」
自警団の仮団員。軍務の大家フィーグナー家の跡継ぎだが、幼い頃に魔物の襲撃で自分以外の血族を失った後、遠い親戚中をたらいまわしにされてすっかり性格の歪んでしまった高慢ちきな少年。軍人志望だが、びびり屋で体力がなく入軍試験に落ち続けている。

 マルコシアス・フィーグナー ♂ 人称:僕/お前/お前ら


◆その他


ベリアル


所属:天界  魔界信使 191cm 種族:???

「おいおい、俺だけ仲間はずれは寂しいぜ。」

ミカエルの育ての親。初対面でも妙に馴れ馴れしく、言動全てが演技がかった胡散臭い男。天界からの使者としてルシファー達を監視していると言うが、本人は気ままな暮らしを楽しんでいるだけに見える。アモンとは幼少期からの腐れ縁で、彼を不快にさせることが至上の愉しみ。

 ベリアル ♂ 人称:俺/お前/お前ら


オズ


所属:竜字地方支隊 研究室 143cm 種族:???

「理不尽に次ぐ理不尽……。あと暑苦しいから触んないで。」
帝国から兄と共に居場所を求めてラジエントへ逃げてきたという、変わった姿の少年。呑気な兄とは対照的に冷静沈着で辛辣な性格。一人で生きていけるようになりたいという願望が強く、人を寄せ付けず孤高に生きるベルフェゴールに密かな憧れを抱いている。ツン(デレ)クール。

 オゼット ♂ 人称:僕/あなた/あなたたち


竜都

◆メトツァリ古書館

竜都にある魔界唯一の図書館。過剰な記録の保持が法に抵触する魔界において、新しく記される書物は決して多くなく、また貴重である。しかし、古書館内部の蔵書の約8割は禁書であり一般人の閲覧は禁止されている。


チェロバエル


所属:竜都  古書館の司書 178cm 種族:竜/火精

「竜に読めぬ文字などありませんよ。人の心も。……まあ、嘘ですが。」
禁書の館、唯一の司書。その端正な容姿と優雅な物腰に反し、常に人を食ったような態度と微笑みを絶やさない青年。自らの父でもある竜王に絶対の忠誠を誓う腹心で、竜王代理として魔界のあらゆる規律を取り仕切っていると言うが、古書館の外へは決して姿を現さない謎多き人物。

 チェロバエル ♂ 人称:俺/貴方/貴方がた


◆竜字軍(中央)

竜都にある竜字軍の本部。対魔物戦線の首脳拠点でもあり、各地方の上層へと指示を出すことも。そのほとんどが竜都の軍校を卒業したエリート集団である。


フレンネル


所属:竜字軍本部   ラジエント特佐   182cm   種族:狗族

「いやぁ、僕ってば有能ですね!褒めてくれてもいいんですよ!」
マイペースな超ポジティブおじさん。実は地方支隊を担当する竜字軍本部の偉い人。左脚の膝から下は義足で常に杖を持ち歩いている。軍の方針決定やアリトンの補佐等を担っているが、戦場での立ち回りは現役時代から衰えない。医学と魔術を組み合わせた特殊な魔法杖の使い手。

 フレンネル・ヤゴ ♂ 人称:僕/きみ/きみたち